掘削とは

掘削とは土砂や岩石を掘削用の道具を用い掘り取って、穴を空ける技術の総称です。人力掘削の場合はシャベルやスコップを用いますが、大規模な掘削を行なう設備は掘削リグという名称で呼ばれ、この掘削リグに取り付けられた機器によって地盤や岩盤を掘りすすめます。

一般的に掘削リグを用いる場合は、井戸を掘る場合に用いられ、水井戸や温泉用の井戸から地熱用井戸、石油用井戸など多岐に渡ります。

なお、いわゆる掘削リグを用いて掘削する技術者は掘削技術者と呼ばれています。

掘削の手法は多岐にわたり、井戸を掘る場合はビットと呼ばれる岩盤を掘り進めるためのドリルを鉄管の先に取り付けて、回転力とドリルカラー等によって得られた荷重とを合わせて岩盤を削りながら掘り進めていきます。

掘削作業はただ穴を掘り進めていくのではなく、まず径の大きな穴を掘り、ケーシングと呼ばれる鋼管をその穴の周りに設置していきます。

その後穴を掘り進めていくごとに径の小さなビットで掘り、その穴に合わせたケーシングを設置して掘削します。

なお、井戸を掘る際にはどういった径で掘り進めていくかを工事前に決定しますが、これはケーシングプログラムと呼ばれます。

しかし、掘削作業は地中奥深く掘り進めなければならないため、掘削を開始する際に地表で計測できるデータが少ないこと、さらに井戸の中の状況を見ることができないことから、掘削技術者の経験が非常に重要になります。

＜参考文献：社団法人石油学会　PETROTECH　2005年12月号＞