石油井とは、文字通り石油を汲み上げるために掘削される井戸のことで、地表から石油が存在する地層まで深く掘削し、この層から石油を採取します。
石油井の掘削は他の井戸よりも深く掘ることが特徴であり、3,000m程度から、中には6,000m以上もの深さまで掘り進めることもあります。
石油井の掘削に関しては、現在もロータリー式掘削装置を用いて掘削を進めることが基本となっており、ロータリーテーブルによってケリーを回転させる方法、あるいはトップドライブシステムと呼ばれるような掘削方法で井戸掘りが行なわれています。
昨今ではこれと合わせて、石油が眠っている油田を求めてより深い地層での掘削や、傾斜掘削・水平掘削、あるいはマルチテラル坑井といった複雑な掘削が行なわれるようになりました。
ところで、真下ではなく横方向に掘削を進める際には、従来の工法のままではビットがどの方向にどれだけ進んでいるかが分からなります。
この場合は各種センサーが取り付けられたMWD(Mesurement While Drilling)と、先端のビットのみが回転し掘削を進めることができるダウンホールモーターを使用して、掘削している方位や傾斜角度などのデータを地上に送信しながら掘削を進めることで、正確で安全な掘削を行なうことができるようになっています。
<参考文献:土木技術21巻6号など>