ロータリー掘削法とは、硬い岩盤を砕くためのビット(ドリル)を先端に取り付けたドリルパイプ・ドリルカラーなどのドリルストリングスをリグから井戸の中におろして、ドリルストリングスごと回転させながら井戸を掘り進める掘削方法です。
掘削の際には、砕いた岩盤や屑を地上に排出するために、ドリルパイプ・ドリルカラーの中に泥水を送り込みながら掘り進めていきます。アメリカで実用化されて以降、この掘削方法は深い井戸を掘る一般的な方法となりました。
ロータリー掘削の特徴としては、まずドローワークスと呼ばれる回転駆動部が地上にあり、いわゆるビット(先端部のドリル)が繋がっているドリルストリングスを回転させることで掘り進めていくことが挙げられます。
昨今では傾斜掘削などの技術が進み、先端のビットのみが回転する機構も存在しますが、ロータリー掘削の基本的な構造は今も変わりありません。
また、地下深く掘り進めていくためにはビット(ドリル)に対し荷重をかける必要がありますが、この荷重をかける役目を果たすのがドリルカラーと呼ばれるものです。
ビットに対するリグの役割は回転は伝えますが荷重は加えられていません。
またドリルパイプのみでも十分な荷重をビットにかけることができないので、ドリルパイプに加え重量の重いドリルカラーを用いてビットに荷重を掛け、効率よく掘り進めていくことができるのです。
なお、穴を掘るとその掘った穴から岩・石・砂などが発生しますので、それを排出しないと掘り進めていけないことは自明の理ですが、井戸を掘る場合は掘削と同時にこうした掘削屑を排出する機構が必要です。
ロータリー掘削では泥水とよばれる、泥と添加物を混ぜた流体をドリルストリング内部へ送りこみます。
泥水は先端のビットのノズルから坑底に向かって噴出され、泥水はビットによって破砕された掘削屑と共に、ドリルストリング外側の井戸の壁の間を通って地上まで戻ってきます。
こうして戻ってきた泥水と掘削屑は分離された後、成分調整を行い再び利用されます。なお、泥水にはベントナイトを添加することで、掘削と同時に坑壁の崩落を防ぐことが行なわれています。
<参考文献:土木技術21巻6号、石油開発時報No.148、>