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特殊掘削技術

マルチラテラル坑井とは

マルチラテラル坑井とは、マルチラテラル(多角的)すなわち1本の坑井から横方向(多方向)に水平坑井を木の枝のように複数掘削し、1本の坑井から複数の石油層にアクセスすることで生産性を最大化させることを狙った坑井のことです。

複数の石油層を同時に仕上げることで、コストは増大しますが生産量を最大化させることができるので、例えば1953年にソ連で掘削されたマルチラテラル坑井では、従来坑井の1.5倍のコストで17倍の生産量が得られたといわれています。

掘削技術的には非常に高度なものが要求されるマルチラテラル坑井ですが、水平掘削技術が求められるのはもちろんのこと、坑井が枝分かれする、ジヤンクション部と呼ばれる部分が技術的に重要な位置を占めます。

なお、このジャンクション部から枝分かれする、主坑井に対して横に掘削する坑井をサイドトラック坑(枝坑)といいます。ジヤンクション部はレベルに応じていくつかに分類されますが、ケーシングを施したり、セメンチングを行なったりしてジャンクション部の補強が行なわれます。

なお、生産性を最大化できることがマルチラテラル坑井の特徴ですが、地上生産設備の統合が図れることから、地上環境への影響が少なくすることができることもメリットとして上げられます。

<参考文献:石油開発時報No.148、No.149>

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